子どもの矯正治療は、一期治療と二期治療の2つに大きく分けられます。それぞれに異なる目的があり、治療を始める時期にも大きな違いがあることから、お子様の矯正を検討中の方は悩まれる事だと思います。今回はそんな子どもの矯正ついてわかりやすく解説します。
子どもの矯正治療は、小学生からと中高生からに分けて考えられています。
小学生の頃、乳歯と永久歯が混在している状態で行うのが「一期治療」。
それに対して中高生の頃、永久歯のみになった状態で行うのが「二期治療」です。
二期治療は大人が行う矯正治療と同じですが、一期治療は違います。
一期治療の大きな目的は「歯列と顎の成長を正しく誘導すること」であり、将来的な出っ歯や乱ぐい歯、受け口などの予防に寄与します。
例えば、
①かみ合わせた時に、下の歯が全体的に上の歯よりも前に出ている「反対咬合」
②かみ合わせた時に、下の前歯の数本が外側に出ている「交叉咬合」
③乳歯がいつまでも抜けなかったり、歯があるのに生えてこなかったりする「萌出不全」
④あごが極端に小さかったり、狭かったりすることにより生えてくる永久歯が並びきらずに「著しい歯のがたつき」がある場合です。
このような歯列不正がある場合は、放っておくと成長発育に影響を及ぼす可能性があるため、6~8歳ごろ、下の前歯に加えて上の前歯が2本が生えそろった時期に矯正治療を始めることを推奨します。
しかし、一期治療は二期治療に比べ期間が長く、効果が少ない可能性もあれば、ブラッシングがしづらくなるため虫歯になりやすい危険性もありますし、お子様自身の努力が必要になるケースもあります。
また、一期治療では歯を1本1本細かく移動するような処置は、ほとんど行いません。
そのため、例に挙げたような問題がなければ、永久歯が生えそろった状態の中高生の時期に二期治療からのスタートの方が良い場合もあります。
お子さんの矯正治療を行うタイミングは歯科医師によって考え方が様々です。
当院では相談、精密検査を行い、その子に合った治療開始時期・治療方針で治療を進めていきます。